東京の中堅広告代理店で働く成條美冬は、離婚し消息不明だった実父の訃報を聞く。そして、遺書を受け取りに父の家に言ってみたら、そこはかなりの田舎で、「ブレーメン」という名前の喫茶店だった。そして、このお店、普通のお店ではなかった。なんと童話「ブレーメンの音楽隊」にならい、ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリなどを飼っているミニ動物園を併設している喫茶店だったのだ。お店、土地、そして動物たちのすべてを遺産相続で受け継いだ美冬だったが、それらの動物の世話は無理とすべて里親を募集し、お店と土地も誰かに売ってしまおうと考える。だが、見つかった土地の買い取り先は、喫茶店を潰してラブホテルにするというのだ。しかも、動物たちも一部は動物実験に使われ殺される運命であることを知る。果たして、美冬は、この事態を受け入れるのか? それとも、なじんだ東京暮らしを捨て、この田舎の喫茶店を継ぐのか? 決断の時は迫る!
<目次>「芽吹く愛の章」
・第1話
・第2話
・第3話
・第4話
・第5話
・第6話
・第7話
・おまけの作者のページ
原版:あおば出版 2006年2月16日発行